「海外金融資産:絶対に犯してはいけない4つのタブー」

いよいよ2014年の海外銀行口座の報告の締切日の6月30日まで3ヶ月になりました。今回は、海外金融資産のリポーティングに関して絶対に犯してはいけないタブーとして、あらたに昔の記事に新情報を加えて、4つのポイントを選んで書いてみました。

1. 隠匿行為を思わずしてしま

口座を閉めて現金化して、わからなくする。つまりたんす預金にする。あるいは、現金化した後に米国に現金で持ち込んでしまう。米国の追求が来ないような田舎の銀行や、郵便局の口座に移してしまう。日本に在住の兄弟の口座に金額を移動してしまう。これらの行為は、過去の残高をしっかり報告してあれば、特に問題ないわけですが、いままで報告をしておらず、今後も報告したくないので、米国の税務当局にわからなくするために行う行為は、すべて「隠匿行為」になります。

この行為は、移す前の銀行のトランズアクションの履歴を見れば、残高が突然消えるか、動いているわけですから、すぐに判明してしまいます。昨年度からFATCA法ができ、日本の銀行もある一定の口座に関してはIRSに自動的に報告することになっています。IRSにとっては、よりお金の動きがわかりやすくなっています。

これらの行為は、「意図的に銀行口座の存在を隠そうとして行為」になり、IRSに犯罪行為として捕らえられる可能性が非常に高くなります。銀行口座のフォームには、意図的に隠匿した場合の罰金は、最高50万ドルあるいは5年以内の禁固刑になる場合があると書かれております。

2. 事実を知ろうというアクションをとらない

母親が勝手に作った口座で、詳細が、わからない。結婚前の旧姓の口座で名前も違うのでどうせわからないから何もしない。小額の口座がたくさんあり、調べるのが大変で、とてもわからない。定期預金なのでインターネットで、利子の金額もわからないし、口座の残高もわからないので、面倒なので、調べない。銀行に連絡したら1週間かかると言われて、あきらめた。

いろいろ理由はあるわけですが、口座があるのを知っていて、リポートをしないのは、「ルールを認識していたのにもかかわらず、ルールを無視した」と取られます。英語でGood Faith Effortsと言いますが、完璧にわからないことがわかっていても、最大限正直な努力をして、正確な情報を出すように努力しましょう。

例えば、アメリカの市民権を申請するときに、永住権を維持している期間に海外に出た履歴を要求されます。永住権を保持している期間が長いと、昔のパスポートは、破棄していてない場合があります。出入国のスタンプを見ることができないわけですから、その場合は、自分のわかる範囲で「できるだけ」正確に推測も含めて、情報の提供をします。

同じ考え方で、たとえこの海外銀行口座のルールが8年間(OVDP Program), 6年間(Streamline Approach)の履歴を要求しても、最大限の努力をして、ある程度推測が入っても良いので、できるだけ正確な情報を提出することを目指すことです。わからないから、何もしないのが、一番良くないアクションです。

3. 2014年の金融資産の申告で間違った申告をする

昨年から、海外銀行口座の申告は、電子申告になりました。FinCEN (Financial Crimes Enforcement Network) という仰々しい名前になりました。この電子申告をする際に、海外銀行口座で発生している課税所得、つまり利子や、配当金をファイルする人の税務申告書(2014年)ですでに正しくリポートしているかという質問があります。そちらにイエスかノーで答えるところがあります。ここを安易にイエスとして押してしまうのはタブーです。本当は、所得があり、かつそれが2014年度の申告書に反映されていない場合は、明らかな脱税行為です。こちらも、「良くわからなかったが、あまり注意しないで、イエスを押してしまった」では、言い訳になりません。くれぐれもこの「イエス」の回答は、すべての所得が正しくリポートされたことを確認されてから、押してください。

このルールは銀行口座だけを対象にするものではございません。証券会社の投資口 座、ミューチュアル・ファンド、リタイアメントアカウント、生命保険等も含みます。もし、両親が皆様の知らない間に掛けていた生命保険を掛けており、そちらがキャッシュバリューがあれば、対象になるわけです。銀行口座だけではなく、くれぐれもこれらの口座が漏れないようにしてください。

前述した事実を知ろうとするアクションにも関係するわけですが、すべてをリポートするようにしましょう。また、このルールは、複数の口座の合計残高が1万ドルを超え場合に適用されます。多くの方が1万ドルを超えた口座だけをリポートすれば良いという間違った理解をされています。

4. 過去を無視して、2014年度からリポートする

このルールが一般的にカバーする期間は前述したように過去8年間ないしは6年間です。過去8年や、6年間なんてとてもわからないから、今年から、つまり2014年度から正しくリポートしようとすることもタブーです。なぜなら、2013年以前は何もリポートしないでいて、突然数百万円や、数千万円の海外資産が2014年度から出てきた場合に、受け取った側はどう思うのでしょうか? やはり突然の海外資産の増加というものが目につくのではないでしょうか? 目に付いた場合は、税務調査のリスクが当然高まります。つまり、万が一調査されて、過去にも口座があるのにもかかわらずリポートしていなかった事実がありますと、納税者は大変不利な状況に陥ります。だから、2014年度からリポートすることが駄目なのです。

独立したポイントとしては書きませんでしたが、日本にある会社の株を10%以上持っている人、日本にいる人から10万ドル以上の遺産相続、贈与を受けた人、日本に土地、建物などの不動産、その他の資産を持っている人には、税務上別途のリポーティングのルールがあります。中にはフォームを出さないだけで1万ドルの罰金が自動的に来るフォームもあります。皆様、ぜひお気をつけくださいませ。

海外金融口座の情報のリポーティングは非常に重要なルールです。くれぐれも軽視されないでください。ファイナンシャル・クライムを犯して捕まってしまったら、その対応で、大変なお金と時間がかかるばかりか、皆様の永住権の権利や、最たることは、個人の自由まで奪われるリスクがあるのです。

この記事は、読者の理解を深めるための目的で書かれており、規則の完全に正確な説明ではありません。問題があると感じられるかたは、必ず専門家と相談されて取られてください。また、この記事に関するご質問は、kfujimoto@cdhcpa.com までご連絡ください。弊社(CDH会計事務所)のウェッブサイトであるwww.cdhcpa.com もご参照ください。また、この件に関します電話での無料相談も今年の6月30日まで受け付けることにいたしました。ぜひ、ご連絡してください。(630)228-8229です。CSTの午前8時30分から午後5時まで受け付けます。

Koh Fujimoto

Koh is the Principal-in-Charge of the International Practice. He concentrates his practice in the areas of financial statement audits, transfer pricing and internal audit services. http://www.cdhcpa.com
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